ハワイの歴史・文化

3.ロミロミとカフナのつながり

どの分野に属するの?
カフナ(kahuna)はハワイアン文化の中でそれぞれ重要な役割がありましたが、ロミロミを行うカフナは、主に薬草を使っての病気や怪我の治療やヒーリングを行う医者としてのカフナに属します。

 どんな勉強をするの?
第2章のカフナの説明にもありましたが、修行の第一歩はプレ(祈り pule)を覚え、マナ(mana)(※10)を操る術を学ぶことです。その後はそれぞれの職業ごとの修行になっていきます。
医者のカフナが治療やヒーリングを行うときは薬草の処方、肉体的な治療、心理学、魔術などたくさんのアプローチ方法をとっていました。
それは、患者の肉体と心、意識(魂)のバランスが重要だと考え、患者本人の充実した生活がヒーリングをよりいっそう効果的なものにすることを知っていたからです。肉体から離れた魂を体に戻す時にもロミロミが行われていました。そのため基礎はもちろん、その他のことも学ぶ必要があったようです。
カフナkahuna達はヒーリングの基本として、アロハ(aloha)(※11)のエネルギーを持って体を揉みほぐすマッサージに重点を置いていたそうです。これがロミロミの原点になったようです。


ロミロミのカフナに深く関わりがあるものは?


 【ルア lua】
ルアとはハワイの格闘技のことです。戦士も上級者になると、呪いをかけたり、骨を砕く、脱臼させる、強烈な痛みを与えるツボを刺激するなど相手に触れるだけで、マナ(※12)を操ることができたそうです。
ルアの戦士は戦いだけでなく、自分をよく知り、何があっても対応できるように多方面での技術と知識が必要でした。傷を癒やすヒーリングの技術、肉体を癒やす整骨やロミロミの技術、自分の武器を作る工芸の技術、メレ(詠唱 mele)の作詞などあらゆる領域の技術に精通していたといわれています。

【フラhula】
フラ・カヒコは「古式のフラ」という意味があり、ハワイ語によるオ(チャント)と打楽器のリズムだけで踊ります。神々へ奉納するための儀式としてヘイアウ(神殿・寺院 heiau)で行われる踊りだったため様々なカプ(禁制 kapu)※13が存在しました。
打楽器はサメの皮を張ったパフドラムを使い、ヘイアウの中では、膝を曲げたハア(ha’a)スタイルと呼ばれる男性のフラしかありませんでした。
しかし、ヘイアウの外では女性でも踊ることが許されていたので、フラが男性だけのものだったということはなかったようです。
自然を崇拝し、神々や土地、英雄や先祖を讃え、それらを自分の中に取り込むという考え方からできたフラ・カヒコはとても神聖なものでした。
一方フラ・アウアナは「非公式のフラ、漂うフラ」という意味があり、儀式で踊るフラではなかったので、詩やメロディーと共に自由な表現をすることができたようです。

 これらはどうつながるの?
先に述べたように、ルア(lua)の戦士は身を守る術としてロミロミや他のヒーリングの技術も学んだという関係があります。フラについては、ルアがフラの生みの親ともいわれるようです。ルアのハアスタイル(格闘の姿勢)は打撃や突きの時の膝を落とした構えの姿勢のことを指しますが、この姿勢がフラの膝を曲げた踊り「ハア(ha’a)」になったのではないかといわれています。
フラは戦いの場面や英雄への賛歌のメレ(詠唱 mele)を踊りで表現します。そこにはルアの戦士の戦いの場面の再現などもあり、そのことからルアとフラは動きを共用しているといわれています。フラの動きはルアが原型となっており、ルアの戦士がロミロミの技術を学んでいたため、フラとロミロミの動きにも多くの共通点が見られるのかもしれません。

 

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